中小建設業の『脱!どんぶり勘定』の補佐役 服部正雄です。
2024年度専門家紹介ネットシェアマガジンに4回目の投稿をさせていただきます。
少しでも購読者の皆様にお役に立てれば幸いです。
今回のタイトルは、与信管理を考えるです。
与信とは『取引相手に信用を供与する事』つまり相手を信用して取引する事です。
先に代金を受け取ってから商品を納入する形やお店で購入時に現金で支払う場合には債権が焦げ付く事はありません。
しかしそれ以外の取引では、一般的な企業間の取引には与信取引を行う事になります。大なり小なり商いには発生致します。
特に帝国データの記事によりますと2023年の建設業の倒産件数は1671件で前年比38.8%増加です。
今後さらに多くなりそうで注意が必要です。
注意をしなかった為に、沢山の不良債権を持って経営が傾いた会社の例をご紹介します。
専門工事業の年商4億円位の会社です。
以前からのお取引があった元請先の会社から沢山の仕事を受注出来たと喜んで見えました。
お取引は手形では無く掛売上ですが翌々月末振込の条件です。
しかし取引が急増した辺り位から、お支払日にお振込みが無くなりました。
その後も受注が増加しています。
この会社では支払遅れに気が付くのも遅く、入金を確認する仕組みもありません。
従って2ヶ月位予定の振込が入らなくなってから、パートさんが催促の電話をするようになりました。
しかし相手の会社の知名度も高く、仕事も引続き受注している為、強い態度で催促する事は控えていました。
結果、その数か月後に、その会社は自己破産の申請に至る結末です。
入金が遅れた辺りから、強い態度で臨み、受注を止めたり、内容証明等送付等手は打てたのですが、結果何もしないまま、最悪の結果を招きました。
後の話ですが、受注の急増にも裏があり、ご同業の会社が危険を察知して取引を止めたのでこの会社の仕事が増えた訳です。
又回収が手形ではない事や知名度等から油断をしていた事になります。
又与信管理と言う考え方が無い事、入金予定日に入らない場合のルール等も仕組みとして作り、遅れた場合の対応策を考えるべきでした。
又別の専門工事業の会社さんの話ですが、新しい営業にも行った事も無い先から、見積依頼があり、とんとん拍子で受注が出来て喜んでしましたが・・・。
初回で集金した受取手形が、残念ながら不渡りで銀行から連絡が入る迄知らなかった例もあります。
後の話ですがやはり従来の取引がある同業の会社が仕事を断った事が、営業にも行っていないこの会社に受注が転がり込んだ原因のようです。
中小建設業の社長さん、危機意識を持って、入金が遅れた先の督促ルールや新規受注先の状況を確認する仕組みを考えて欲しいと思います。
会社を経営する為に必要な1つと考えて頂きたいと思います。
特に上記のようなことでお困りの中小建設業経営者の方へ、専門家紹介ネットを通じてお問い合わせやご相談お待ちしております。
【 この記事の専門家 】中小建設業の『脱!どんぶり勘定』の補佐役 服部正雄
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