中小建設業の『脱!どんぶり勘定』の補佐役 服部正雄です。

2023年度専門家紹介ネットシェアマガジンに10回目の投稿をさせていただきます。

少しでも購読者の皆様にお役に立てれば幸いです。

今回のタイトルは、生き残りには資金管理力が必要です。

建設業の倒産が急増、3年ぶり増加建設業を襲う『三重苦』という信用情報機関のトピックス記事にありました。

『三重苦』は工期長期化・人出不足・資材高の3つです。

工期長期化については、中小建設業では工期のズレの問題、人材不足と資材高や資材納入の遅れ実感しております。

特に資材高は『増収減益決算』を最近よく拝見します。

仕事は忙しい、人出不足で現場が遅れる、資材価格が予算より価格が高い等々お悩みの建設会社が多い訳です。

『三重苦』と倒産急増のお話は結びつきます。

先ず工期のズレ等から入金が遅れる事、又人件費の高騰や資材高等から赤字工事の発生や工事利益率の低下等今後の経営に大きく関わります。

タイトルとの関係にも密接に絡みます。

中小建設業には資金繰り表の作成が出来ていない会社が多い事、又3年振りの倒産急増にはコロナのゼロゼロ融資の返済が始まった事も大いに影響しています。

然しながら赤字で倒産する訳ではありません。

お金が無くなった事が直接の影響になると思います。

『入金>出金』の状態は大丈夫ですが、『入金<出金』状態が倒産の理由になります。

黒字倒産と言う言葉もある位です。

申上げたいのは此処からです。

タイトルの資金管理力が無い会社が多く存在する事で私は今後の状況に心配しております。

先ず資金繰り表で先の見通しを立てる事です。

資金繰り表が無いと、先の見通しを立てられません。

①工期がズレて入金が遅れる(入金見込⇒入金無又は入金ズレ)

②支払の決済資金の予測や、電債や支払手形の決済資金がいつ幾ら必要か?(出金の予測)

③借入金の申込にも資金繰り表はいつお金が足りなくなるか?

分かります。(借入金は入金です)

④借入金の返済資金(利益に関係なくお金が減る)売上増額や工事利益から捻出出来ないと返済金の支出を捻出する為に再度借入が必要になりますが、下記⑤の審査ハードルを乗越える施策が必要

⑤コロナ資金の借入より当然ですが、今後は審査のハードルも高くなります。(コロナ資金は全額万一の場合にも銀行は被らない、全額税金で保証⇒通常時は貸付金の倒産は銀行のリスク大

以上の様な理由から資金管理が重要になります。

又注意すべき事項として

⑥手形や電子債権については、期日前に割引等せずに期日取立を心がけましょう。(資金が必要な時の安全牌を持つ)資金不足の場合に短期借入金等の調達を優先する。

⑦回収遅れ等、売掛債権の遅れに神経質な位気を配りましょう。(不良債権を掴まない)今後連鎖倒産のリスクが全体では大きくなる。

これらが会社の資金管理に大事になると思います。

然し実践できない会社が多い事も事実です。

それは社長が重要性を理解していない事が原因です。

随分前ですが、大手コンサル会社の大先生のお話の中で、倒産した社長が1年前に自分の会社が危ない状況と思っている社長は1割だそうです。

つまり9割の社長はよもや自社が破綻するとは考えてもいない訳です。

会社の財務状況や資金繰りに無頓着で社長が理解していない会社が多いと言う事です。

又別の観点から、経営者は会社の存続の為にお金を持つ事が大事です。

何故なら同族の中小建設業は、会社が倒産すれば、経営者も自己破産が付いてきます。

社長個人のお金(会社に提供可能なお金・提供可能な不動産等)が会社の二つ目の資金力とも言えます。

どうやってお金を作るか?については、会社が儲かっている時に、高級車の購入等、無駄なお金を使わずに役員報酬を上げて、手取給与の中から、家庭に持帰らないお金を取引銀行でコツコツ貯める。

会社を守る為にも会社に提供できるお金を増やす努力も大事です。

又会社の好調時に無駄な節税策で資金流失をして、税金を減らす事にお金を使うよりも、税金を払う事を嫌がらず、税金を払って会社の内部留保に努める事これも会社の体力増強策です。

会社を守る観点では重要な事柄です。

仕事が廻れば何とかなるとお考えの社長に聞いて頂きたいお話です。

建設業経営をしていく中で社長としての身構えやトップとして意思決定しないといけないことがたくさんあります。

特に上記のようなことでお困りの中小建設業経営者の方へ、専門家紹介ネットを通じてお問い合わせやご相談お待ちしております。

【 この記事の専門家 】中小建設業の『脱!どんぶり勘定』の補佐役 服部正雄

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