顧客管理アドバイザー  大久保 久明です。

専門家紹介ネットシェアマガジンに投稿させていただきます、
少しでも購読者の皆様にお役に立てれば幸いです。

【理想の顧客像を決める】

久し振りの投稿ですが、現在、世の中はかつて経験したことのない経済状況になっています。これから、世界が大不況へ陥る可能性は非常に高く、社会全体が新しい時代へと変革するタイミングにあると考えられます。

ビジネスにおいては、今までと同じような発想を続けることで、事業の継続が益々難しくなるでしょう。そこで、今後のビジネスを考えるときの軸として、「顧客との関係性」についてしっかり考えてみてはいかがでしょうか?

最近の各種ニュースなどを見て、気になったことがあります。それは、顧客との信頼関係をしっかり築いていると思われる事業所には、常連客(ファン)を中心に「なんとか事業を継続させよう」と一生懸命に応援している光景が見られるのです。

このような事業所は、たぶん日頃の取引を通じ大切な顧客が誰であるかを知っており、さらに顧客との強固な信頼が出来上がっています。また、顧客にとっても、事業所がかけがえのない存在であることから、応援することを嫌がりません。

これからのビジネスでは、事業所が「理想の顧客像」を意識し、既存客の中で誰がそれに該当するのか知ることが重要です。提供する商品やサービスを購入してくれる、「利用者をただ待つ」という発想だけでは事業継続は困難となるでしょう。

理想の顧客像を明確にするためには、まず事業所にとって「そぐわない顧客を決める」ことです。「値引きを強要する」「クレームが多い」など、事業所にとって有益でない顧客とは、思い切って距離を置くという考え方が必要となります。

ある意味、事業所(経営者)の「価値観や世界観に合わない顧客とは付き合わない!」くらいの意気込みを持つべきです。その結果、顧客は理想の顧客を中心に形成されるようになり、やがてビジネスが非常にやりやすくなります。

【既存客の見直し】

既存客の中でも、特に「優良客」との接し方について意識することが大切です。もし優良客の定義が決まっていないのなら、最初に評価基準を決めてください。評価は、購入金額や購入回数など事業所に合った「数値」によって判断します。

現在、顧客の貢献度について数値化出来ていない場合、何らかの仕組みを取り入れてください。事業所において、すでに販売管理システムやPOS管理システムなど導入されているのであれば難しいことではありません。

優良客は、事業所(経営者)の価値観や世界観に近いため、ストレスなく付き合うことが出来るし、事業所側からのお願いごとにも協力的です。厳しい経済状況下においても、優良客は事業所(経営者)に頼られることを拒絶することはないでしょう。

逆に今回の一連の騒動がきっかけとなり、優良客と事業所との信頼関係がさらに深まる可能性も考えられます。集客は一般的に新規獲得がクローズアップされますが、有事においてはまず「既存客の見直し」を図るべきと考えます。

【 この記事の専門家 】ベネフィット・ラボ 大久保 久明