中小建設業の『脱!どんぶり勘定』の補佐役 服部正雄です。
2023年度専門家紹介ネットシェアマガジンに12回目の投稿をさせていただきます。
少しでも購読者の皆様にお役に立てれば幸いです。
今回のタイトルは、中小建設業の弱点は営業力と経理力です。
ご紹介を頂いて訪問させて頂いた専門工事の年商4億円位のお客様のお話です。
社長は、親から引き継いだ会社を経営して見えます。
元請先から依頼のあった仕事を粛々とこなしている感じです。
社員さんの職人さんと一人親方さんを中心に工事をされています。
事前に伺っていた、お悩みは忙しいけど利益が出ない相談でした。
得意な工事利益を増やす仕組み作りのお話をさせて頂く予定で訪問致しましたが会社の状況を伺って、少し驚いたことが3つあります。
まずホームページが無い事。
お話を伺っていると、ご紹介や問合せ等があれば対応するが自ら営業活動をした事が無い。
更に工事経歴書や会社概要等の販促物が無い事です。
つまり従来からの元請先からの仕事を請負って施工するだけの体質が染みついています。
又お聞きすると工事金額も相手先からの発注書が届いて確定する様です。
まず忙しいけど儲からない理由の一つです。
止む得ない事も有るかも知れませんが、工事金額の決定権が顧客先にあるようです。
各種経費や材料は値上げの一方です、人件費もアップが必要です。
当然の様に、工事別原価管理は未実施、経理処理もずさんな内容だと感じました。
それは、元請先からの材料支給分等も、工事代金と材料費の相殺では無く売上高の減少と材料原価の減少の売上値引き的な経理処理でした。
当然試算表も無く、決算期のみ税理士対応の様です。
社長自身も、売上高と納付する税金額等しか興味がありません。
又社員さん中心の施工体制なので、仮払消費税の計上が外注依存率の高い会社と比較すると、消費税の納付額も多い訳です。
勿論、個別原価管理を実施して、元請毎の売上高比率と工事粗利益比率等を比べて、利益を頂く事が出来ない元請先の把握の重要性や経理の改善で経営数値が決算の結果しか分からない体制の改善のお話を致しました。
この辺りの改善は資料を整備して原価管理ソフト等と会計ソフト等を入力するアドバイスが出来れば、経理改善は自信があります。
問題は営業面です。
社長のご希望は引継いだバトンを次に渡す事と言われました。
その希望に沿った会社にする為には、社長は2代目経営者として引き継いだ会社を出来るだけ良い会社にして、3代目にバトンを渡す事になります。
今のままでは、元請先の仕事量が減れば、同じように会社も売り上げが落ちます。
又今後元請先の状況が厳しくなる事も予測されます。
受注単価の引下げ等も可能性があります。
原価を含む経費は増える事が予想されます。
会社の利益や存続にも疑問符がつきます。
それで営業もしないで、現場の粗利益確認も無で会社のバトンを渡す事が出来ると思われますか?
・・・・・少し沈黙の後、我社には営業する人がいないそんな事を言われました。
必ず会社の技術面や社歴等誇るべき点がある筈です。
社長がまず営業をしてその背中を見て現場担当者も営業をして頂く。
スーツでネクタイをしなくても、作業着で営業活動は出来ます。
社長の決意だけが必要です。
この様に、下請仕事中心の、小さな建設会社には、販促物もホームページも無く営業もしないそんな会社が事実として存在しています。
長い年月、営業活動をする会社としない会社大きな差がつくと思います。
『中小建設業の弱点は営業力と経理力』典型的な事例の会社さん訪問でした。
建設業経営をしていく中で社長としての身構えやトップとして意思決定しないといけないことがたくさんあります。
特に上記のようなことでお困りの中小建設業経営者の方へ、専門家紹介ネットを通じてお問い合わせやご相談お待ちしております。
【 この記事の専門家 】中小建設業の『脱!どんぶり勘定』の補佐役 服部正雄
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