熱烈ファン育成プログラム / カードマーケティング

店舗経営者は「売上に不安」を感じたとき、最初に「新規客の獲得」を目指します。フリーペーパーやクーポンサイトなどに、高額な広告料を支払い、目的を達成しようとします。

日本では売上の改善に「新規客の獲得」がもてはやされますが、米国ではまず「既存客を大切」にします。顧客リスト(情報)を最大限活用して、次の商談へつなげる努力を惜しみません。

かつて江戸時代、商人たちは屋敷が火事になった場合、何よりも先に「大福帳(顧客情報)」を持ちだすことが求められました。これさえあれば、また商売は続けられると・・・。

しかし、日本は高度成長時代からバブル時代へとつながる中で、本来の「既存客を大切にする考え」が稀薄になってしまったのかも知れません。新規客を獲得さえすれば、売上の維持および改善が可能であると・・・思い込んでしまったのです。

でも今は、残念ながら、日本全体のパイが減少し続けている時代です。

そこで、このデフレ経済の日本において、もう一度「原点」に帰ってみては・・・そんな考えから「熱烈ファン育成プログラム」が生まれました。

きっかけは、あるPOSレジメーカーからの「顧客動向分析」の結果です。

◆店舗売上の約75%は、既存客の上位約30%が生み出している。

◆1回きりの来店客割合は、全利用客の70%を超えている。

◆一定期間の来店回数で、2回以上来店した顧客は固定客化する傾向が強い。

この調査結果から読み取れることとして、「既存客の売上貢献度上位約30%をキープすること」や「顧客のリピート回数を上げること」、これらの策を講じることで、少なくとも「売上の維持(大崩れしない)」が図れるという事実です。

そのためには、誰にでもできる「仕組み作り」を構築することが必要です。

◆顧客情報を集める。「どこの・誰が・いつ・いくら・(何を)」<顧客情報の収集>

◆売上に貢献している顧客を明確化する。<カードや顧客管理ソフトを活用>

◆顧客との接触回数を増やす。<プロモーション活動>

これら一連の仕組みを「カードマーケティング」と呼び、顧客には一律のサービスではなく、売上貢献度に応じたサービスを実践します。

既存客の売上貢献度上位約30%(ファン層)の中でも、さらに上位約10%の顧客を「熱烈ファン」と呼び、「最高のおもてなし」をすることで、店舗との「信頼関係」を築きます。また熱烈ファンは、口コミによる「新規客の紹介」をしてくれる率が、非常に高いこともわかっています。<バイラルマーケティング>

既存客であるファン層との「共感」と「信頼」は、ビジネスにおいて欠かせない根幹です。中小規模店舗経営者は、そのあたりを強く意識していただくことが大切です。

カードマーケティングを活用して、顧客を熱烈ファンに育てるプロセスには、いろいろな方法があります。ただ、店舗(企業)の事業内容や規模・ご予算などによって、そのあたりは充分に検討する必要があります。

すでに、この手法で、継続して前年対比150%超えを達成している店舗があります。

あとは、経営者を始めスタッフすべてが「行動できるか否か」で、店舗の売上維持および改善は決まります。

【 この記事の専門家 】ベネフィット・ラボ 大久保 久明